HOME > 稽古日誌 > 技術論

当館ではHPの内容や合気柔術に関する技術的な質問に対しても積極的に回答していくよう努力しております。
お問い合わせよりご連絡ください。

京橋地域7区民館~サークル発表会解説文2014

2014/03/21

 3/9(日)京橋地区新川区民会館で~京橋地域7区民館~サークル発表会が行われました。参加していただいた方、お疲れ様でした。ご協力ありがとうございました。また、ご観戦いただいた方、たくさんの拍手をありがとうございました。
 演武の際の解説文を以下に載せさせていただきます。

 多人数捕を披露させていただきました。
 初心者による基本技です。
 合気柔術の稽古は約束組手形式が中心です。基本的に相手の攻撃に対する防御技・返し技の形をとっています。銀座教室では基礎から段階的に系統立てて講習しているので、技が自然と身に付き、理解していけるようになっています。武道・格闘技経験者の方でも、初めての方でも、もちろん女性でも、稽古を通じて筋力の強化、バランス能力の調整も行われます。体幹いわゆるコアマッスルの強化およびきれいな立居振舞を身に着ける目的としても稽古しています。合気柔術は健康・美容法としても、何歳からでも始められ、長く続けられる武術です。
 基本技の応用です。
 ショルダーバックからものを取り出そうとしたときに、手をつかまれたという想定です。自分より有利な相手に対し、合気柔術では力やスピードに頼らず、間合いやタイミング、身体をコントロールすることで対処しています。なので、体力・体格的に不利な方にも楽しめる体術です。
 対多人数の乱捕りです。
 合気柔術は、江戸時代会津藩内において上級武士に教授されたものとされています。現在、広く知られている合気道のもととなったとされる武術です。基本技は一対一ですが、現実はルールのあるスポーツと異なります。最初の演武もそうでしたが、複数の相手、劣勢な状況下でいかに対処するかも稽古します。それは体の動かし方だけでなく、心の持ちようのトレーニングにもなります。こうした理由で合気柔術は、護身術としても、また体と心の健康法としても高く評価されています。
 また受け手にも注目してください。このような板の間でも安全に受け身をとっています。練習次第ではここまでできるようになります。転倒、それによるけがの予防のためにも効果が期待できます。
 有段者による演武です。
 まずは不意の攻撃に対したものです。先ほども説明しましたが、合気柔術は劣勢な状況下でいかに対処するかを稽古するものです。このような不意打ちや、横・後ろからの攻撃に対しても稽古します。相手をさばき、その後も抵抗する相手を絡めていき、固めていきます。この方法は「蜘蛛の巣伝」と呼ばれています。合気柔術の固め技の特徴は、あくまでも相手の自由を奪うことを目的にしていることです。後に残るように関節を痛めたり、傷をつけたり、怪我をさせることは行いません。攻撃してきた敵に間違いに気付く時間を与え、改心する猶予を与えます。この意味で合気柔術は、一般の武術・格闘技とは異なり、戦いに勝つことを目標としていません。
 最後は銀座教室を担当している指導者の対武器の自由演武です。
 合気柔術では杖、懐剣、小太刀、太刀、鉄扇などを用いた武器術も練習します。自分より長い、有利な武器を持った相手に対し、劣勢な状態でも相手の攻撃をよけ、自分に有利な間合いに入ることで対応しています。今回は小太刀の攻撃に対し、素手で対応しています。

当身のこと

2014/02/27

 このところ「当身を習いたい」と、当館への問い合わせが複数ありましたのでこの場を借りてコメントさせていただきます。
 当身については、一般的には部位、当て方などは秘伝とされていることが多いようです。日本伝においてもこの部分については、他の諸流派と同様の伝承形態をとっています。
 当館ではHP―「厳武館の理論と技術」にある通りの稽古体系で行っており、一般向けには鶴山師範存命時の稽古法を基本的には踏襲しています。
 一般に公開されている日本伝における当身(秘伝部分を除く)は、

・間合いを計るため(技をかけることができる)
・機先を制するため(敵の合気を封じる)
・気をそらす、崩す(敵の反応を狂わせる)
・防御する、後之先を制する(敵の連続攻撃を封じる)

を目的として練習しています。具体的には、

①仮当て
②これにより敵の反応を一瞬狂わせ、技をかける
③体捌きと連動して用いる
④二段、三段同時打ち、多段連続で行う

というものが一連の型の中に含まれています。ただ、その中で使用される突き・蹴り等の当身そのものに重きを置いて一般向けに講習してはいません。継続して稽古していくうちに、その方法、意味、目的が理解されていくものと考えています。

DVD教本感想

2013/11/04

こんにちは。

今日、教本04の一か条を見せて頂きました。
解説が丁寧で理論的であり、ビデオ通りに稽古すれば、
体得できそうです。

合気会では1か条は1教というのですが、技としては形だけ真似して通過してし
まいました。
稽古では受けが力で抵抗しないので、何となく固めるところまでできるのですが、
恐らく屈強な相手が力づくで向かってきたら、相手を崩すことはできないと思い
ます。
やはり力の方向、理屈を知った上で何度も稽古する必要を感じました。

一か条は非常に重要な技だと思いますので、非常に参考になりました。

教本03のdvdを見ました。

教本04同様、非常に分かり易いコツが分かる内容で
有り難く見させて頂きました。

教本02を見せて頂きました。

合気会では5級ですので、投げ技はそれほど学んでいません。
比較的だれにでもできそうな多くの投げ技が紹介されており、
今後、稽古して身に付けたいと思います。

最後の教本01を見ました。

杖につきましては合気会の31の杖の形、杖基本素振り20本は
覚えておりましたが、
教本01を見ることにより、実際の杖の使い方が良く理解できました。

以上で、教本04~01まで見せて頂いた感想です。
見て理解できても実際にやってみるとなかなかできません。

今回お分け頂いた教本で、合気柔術の基本を稽古したいと
思います。

これからも、新しい教本が刊行されることを期待して止みません。
ありがとうございました。


教本を見せて頂いての質問ですが、教本では畳の間、板の間の
両方での稽古となっていますが、使い分け、意図はあるのでしょうか?

柔術では投げがあるので、稽古は畳の間に限定されるのかと
思っていたので意外でした。

板の間でも稽古できるのであれば、稽古の機会が増えて
嬉しいです。

ご感想、コメントありがとうございます。

非常に元気づけられました。
感謝いたします。

稽古場所についてです。
畳、板の間は特に意図してはおりません。
柔道場で練習できることが望ましいのですが、横浜周囲は柔道場が少ないので。

また柔術(合気柔術も含め)は、投げることを主目的とはしていません。
投げる…というより、受け身を取られた=逃げられた、と発想しています。
練習では怪我を防ぐため、受け身がとれるように崩しますが、
ならば受け身を取られる直前で止めても、練習にはなります。
なので板の間でも練習は可能です。

今後の参考となれば幸いです。

お世話になります。

早速のお返事を頂き、ありがとうございました。

「受け身を取られた=逃げられた」

とは、目からうろこでした。

「受け身を取られる直前で止めても、練習にはなります。」
たしかにそうですね。

発想を変えて稽古してみます。

京橋地域7区民館~サークル発表会解説文

2013/03/11

 昨日、3/10(日)京橋地区新川区民会館で~京橋地域7区民館~サークル発表会が行われました。参加していただいた方、お疲れ様でした。ご協力ありがとうございました。また、ご観戦いただいた方、たくさんの拍手をありがとうございました。

 公開の希望がありましたので、演武の際の解説文を以下に載せさせていただきます。

 合気柔術は、現在NHK大河ドラマ「八重の桜」で取り上げられている江戸時代会津藩内において上級武士に教授され、西田敏行さん演じる西郷頼母により伝えられたとされています。現在、広く知られている合気道のもととなったとされる武術です。

 最初は、代表による半座半立の技です。座っている状態で攻撃された場合の技です。前後左右からの攻撃に対し座ったまま対処しています。

 初心者による基本技です。
 合気柔術の稽古は約束組手形式が中心です。基本的に相手の攻撃に対する防御技・返し技の形をとっています。銀座教室では基礎から段階的に系統立てて講習しているので、技が自然と身に付き、理解していけるようになっています。武道・格闘技経験者の方でも、初めての方でも、もちろん女性でも、稽古を通じて筋力の強化、バランス能力の調整も行われます。合気柔術は健康・美容法としても、何歳からでも始められ、長く続けられる武術です。

 武器術です。
 合気柔術では杖、懐剣、小太刀、太刀、鉄扇などを用いた武器術も練習します。自分より長い、有利な武器を持った相手に対し、劣勢な状態でも相手の攻撃をよけ、自分に有利な間合いに入ることで対応しています。このように合気柔術は力やスピードに頼らず、間合いやタイミング、身体をコントロールすることで対処する武術なので、体力・体格的に不利な方にも楽しめる体術です。また体だけでなく頭も使うので、体と心の健康法としても高く評価されています。今回は小太刀の攻撃に対し、女性は「ふところがたな」を用いた懐剣術、男性は鉄の扇子を用いた鉄扇術を演武しています。この技は折り畳みの傘、杖などに応用可能です。

 居取の技です。
 最初の演武でもそうでしたが、合気柔術は座った状態で攻撃を受け、その状態で捌くという練習もしています。以前は偉い人の前に進む場合、江戸時代においては武士が城内で主君の面前を進む場合や江戸城内では、礼を重んじる目的で、座って膝付きで進んでいたようです。
 現代ではそのような必要性もなくなりましたが、体幹いわゆるコアマッスルの強化およびきれいな立居振舞を身に着ける目的としても稽古しています。

 多人数取りです。
 合気柔術は、上級武士に伝えられた自衛術が元となっています。基本技は一対一ですが、現実はルールのあるスポーツと異なります。複数の相手に対しても落ち着いて対応できるように稽古していきます。

 最後は銀座教室を担当している指導者の自由演武です。
 杖といわれる120cm程度の棒での攻撃をさばいています。その後も抵抗する相手をその杖に絡めていき、固めていきます。この方法は「蜘蛛の巣伝」と呼ばれています。合気柔術の固め技の特徴は、あくまでも相手の自由を奪うことを目的にしていることです。後に残るように関節を痛めたり、傷をつけたり、怪我をさせることは行いません。攻撃してきた敵に間違いに気付く時間を与え、改心する猶予を与えます。この意味で合気柔術は、一般の武術・格闘技とは異なり、戦いに勝つことを目標としていません。

二か条について(合気柔術DVD「合気柔術教本03」より)

2012/10/12

 こんばんは。DVD拝見させていただきました。2巻共分かりやすく、今すぐにでもできそうな気にさせ達人になれたような素晴らしい内容でした。
自分なりの理解法で、質問自体が伝わるか分かりませんが一つだけ質問させていただきます。
二か条でお辞儀する前に相手の右肘を自分の左手小指で軽く外側に(相手の右肩・左肩に平行に)出す理由として、相手の右肘のあそびをなくすためとありましたが、普通あそびをなくすという場合、例えば関節と関節を繋ぐ軟骨がありますが、年齢を経て軟骨が減ってくると関節と関節が直にぶつかり傷みを生じます。つまりあそびはこのような間隔が狭まり詰まった状態だと思います。
では二か条の場合ー 輪ゴムを例にすると輪ゴムはそのままではあそびがありますが輪ゴムを少し引っ張った状態(伸ばした状態)をあそびを取ったという理解でよろしいでしょうか?詰めるのと引っ張る(この言い方は少し語弊があります)、正反対ですがあそびをなくすには二通りあるという理解でよろしいでしょうか?
お忙しいところ申し訳ございませんが、よろしくお願いします。

Re:二か条について(合気柔術DVD「合気柔術教本03」より)

 ご質問ありがとうございます。なかなか表現が難しいですね。
 どちらかというと竹ヘビ玩具が理解しやすいと思います。基本的には水平面―左右にある程度自由に運動しますね。そこに垂直方向―上から、または下から圧を加えるとどうなるでしょうか?水平面の運動の自由さは阻害されますね。この状態を「あそび」をなくす(減らす)と表現しています。
 ただ、竹ヘビ玩具の(可動部分の)「あそび」の取るのは、垂直方向の二通りだけではなく、捻ることでも可能です。また、前後に引っ張る/押す(縮める)ことでも可能ですね(詳しくは関節運動学が役に立つかもしれません)。極端なことを言えば、運動が想定されている水平方向以外の圧はすべて「あそび」をなくすことが可能です(圧力はベクトルなので、垂直成分が入れば目的は達成できます)。
 上肢の関節は、竹ヘビ玩具のように単軸多関節(結局は1関節)ではなくもう少し複雑です。肘関節だけでも、3関節(腕尺関節、腕橈関節、上橈尺関節)、2運動(屈曲・伸展、回内・回外)があります。二か条は肘関節だけでなく手首、肩、肩甲帯も関係しているので、複雑になります。その一つ一つの「あそび」をとって技をかけます(あそびをとるだけではないですが)。
 一つ一つの関節、さらにその先の体幹、下肢、重心、間合い、相手の意図、さらには場…と、技の中で注意しなければならないものは多く、初めからすべてに心を注ぐのは我々凡人には難しいです。そこで先人の残した、型(手順)、口伝が一つの回答となると思っています。
 技の習熟は「型(手順)→口伝→五感で感じ→気づく」という手順を追うと考えています(五感といっても鼻―香(嗅)、舌―味は使わない気がしますが…)。当館は仏教・禅宗とは直接関係ありませんが、「不立文字・教外別伝」とはよく言ったものです。当館での稽古は、その「気づき」(所謂「合気」はその一つかもしれません)を得ることを目的として、型稽古を行っています。型・口伝通りに体を動かすと、そこで何かを感じ、何かに気が付くかもしれません。「我」を除くことは難しいですが。

搦投について(合気柔術DVD「合気柔術教本02」より)

2012/04/20

 いつもありがとうございます。DVD合気柔術教本02の搦投について質問します。
合気道の十字投げ、柳生心眼流の両切裏に少し似ているように思います。合気道は分かりませんが、心眼流の場合相手が右手で我の襟を合わせて襟の上方を掴み、左手で我の襟の下の方を掴み相手が右手でさらに我の咽喉を押します。そのため相手が右足前になりますので、相手の両腕を搦めることができても相手左側面あるいは左後方に倒すには難しさを感じています。DVDでは相手は左足が前に出ているので、相手左足後の方に倒しやすい気がします。この技は相手左足前が前提でしょうか?右足が前に出ていたら搦めたまま後ろに倒すしか思いつきませんが、どんな展開になるのでしょうか?よろしくお願いします。

Re: 搦投について(合気柔術DVD「合気柔術教本02」...

ご質問ありがとうございます。

>この技は相手左足前が前提でしょうか?
 一応決められた形なので左足前となります。
 合気柔術の稽古は、先人の実践と経験から確立されたシミュレーションスタディです。種々の場面を設定し、その対応方法を学ぶものです。したがって練習する技は、いわゆる実戦的ではなく表演技法の習得、すなわち形稽古が中心となります。
 しかし形稽古には危険な落とし穴があります。形が絶対真理となり、練習する人を従わせてしまうことがあります。パターン化した動きは、反射的に動けるようになるという点で必要とされる一方、仕手の思考を阻害してしまう傾向があります。「守破離」といわれるように、自身の稽古が進むにつれ、形だけでなくその背後にある考え方、さらには流派のコンセプトを理解・体得していけば、このような危険を回避し、自身を成長させることができると思われます。

>右足前になりますので、相手の両腕を搦めることができても相手左側面あるいは左後方に倒すには難しさを感じています。
 「柳生心眼流の両切裏」のことはわかりかねます。正しい形=先人の教えがどうであったかを改めて確認される必要があるのではないでしょうか。
 そのうえで、敢えて右足前で、右手に左手をからめた状態で、左側に倒すという工夫をしてみたい、ということでお答えさせていただきます。

 搦投の場合、相手の上半身で作れる運動方向は、右手にて時計回りの回転運動、左手で背後への直線運動です。その運動を組み合わせて、相手の下半身の崩れる場所に重心を移動させ、崩し倒すことになります。ちなみに、柔術では背後、今回のDVDで紹介した合気柔術では(前足になっている)左足外側前に重心を移動させ倒しています。なので“搦めたまま後ろに倒すしか思いつきません”というのも、柔術的な発想とすれば一つの正解です。
 下半身の崩れる場所は、基本的には6か所あります。両足の垂直二等分線上の前後、足の外側前後です。今回の場合は、ベクトル(運動方向)がないので右足側(前・後)に崩すのはかなり強引な技となります(強力に相手の左手を押し付けて、反時計回りの運動を作ればできますが…)。左手の操作で左足外側後または垂直二等分線上後に崩すことは可能と思われますが、それは思いつかれた“搦めたまま後ろに倒す”こととなります。左足外側前への崩しは、崩しとしてはやや弱いかもしれません。垂直二等分線上前はそのままだと自分がいて崩せません。垂直二等分線上前に崩すためには、転身をする(そこからいなくなる)必要があります。 左足外側前への崩しは、さらに手を加える(例えば腰投に移行する、転身して垂直二等分線上前に崩しなおす)必要があります。
 こんな回答でいかがでしょう?

Re2: 搦投について(合気柔術DVD「合気柔術教本02」...

早速お答えいただきありがとうございます。
形への向き合い方については、丁度棒術・柔術の稽古方法・内容について悩んでいたところなので貴重なアドバイスになり、ありがとうございました。
搦投で“今回のDVDで照会した合気柔術では左足外側前に重心を移動させ倒す”という箇所ですが、右手にて時計回り、左手で背後への直線運動からすれば重心は背後へ押されるので、つまり踵・左足外側後に移りませんか?
“下半身の崩れる場所は・・・”以降は正直よく理解できません。しかし、これを一句一句正確に理解できれば、飛躍的に進歩できる気がします。一度時間を割いていただけないでしょうか?是非よろしくお願いします。

Re3: 搦投について(合気柔術DVD「合気柔術教本02」...

ご質問ありがとうございます。

>右手にて時計回り、左手で背後への直線運動からすれば重心は背後へ押されるので、つまり踵・左足外側後に移りませんか?

高校で習った幾何学です。平行でない2つの(空間)ベクトルx、yを想定します。ベクトルとは、大きさと向きを持った量です。今回は一方(右手)の運動は角運動(回転運動)ですので、これは正確な表現ではありませんが、理解しやすいようにあえてこのような表現で説明します。
 相手に及ぼす力(向きおよび大きさ、ベクトル)は
ax+by
のように表現されます。ご質問の内容から推察すると、a:b=1:1と“勝手に”想定されているように思われます。当然、そのような“縛り”は存在しません。aとbは互いに独立した値=比率(スカラー)で、それは己で調整が可能です(可能となるように稽古します)。例えば(a,b)=(0,1)でもよいし、(a,b)=(1,1)でも(1,0)、(1,2)でも、組み合わせは無限(言い過ぎかもしれませんが)にあります。車のアクセル・ブレーキも、オンとオフの2段階だけでなく(それだけでも運転はできますが)、必要に応じて5段階、10段階と踏み分けることができればよりスムースな運転になるであろうことは想像に難くありません。

>“下半身の崩れる場所は・・・”以降は正直よく理解できません。

確かに言葉だけで伝えるには限界があります。「不立文字」とはよく言ったものですね。機会を見つけて練習しましょう。4/29の「合気柔術講習会#22」の基礎練習の時間(11時)に来ていただければお手伝いできると思います。

Re4: 搦投について(合気柔術DVD「合気柔術教本02」...

ありがとうございます。4/29の11時に伺います。よろしくお願いします。

小手返について(合気柔術DVD「合気柔術教本02」より)

2012/03/14

 当身の多用で相手を崩して技を掛けるから、現在の相手に気付かれずに技を掛けるとの違いの観点から興味深く拝見しました。私も当日参加したのですが、技を覚えるのに夢中でDVDを見てもう一度納得しました。
 質問があります。小手返しですが、相手右肘を水月に突き刺すように折り込むのは何故でしょうか?その後右手刀で相手小指を切り落とすようにとありますが、右肘を突き刺すことで当身となり前には崩れますが、むしろ相手の体が堅固になり体幹(大木)から少し出ている小指(小枝)を切り落としても、よほど突き刺す時強力に崩さない限り大木が崩れないような気がします。
7回講習会のDVDの小手返しの手首を通じて肩甲骨を引き出すと比較すると全く逆のように思えます。お忙しいところ申し訳ございませんが、よろしくお願いします。

Re: 小手返について(合気柔術教本02より)

 ご質問ありがとうございます。
 まず、表と裏の違いがあります。通常練習しているのは小手返の“裏”、今回は“表”になります。従って見た目(仕手と受け手の位置関係)は異なっています。さらに今回はどちらかというと“柔術”寄りの表現をしていますので、戸惑われたのではないかと思っています。とはいえ、表だろうが裏だろうが、どういう表現をしていようが同じ“小手返”です。
 小手返は、誤解されることが多いですが、手首を掌屈し前腕を回外すること(だけ)で倒しているわけではありません。これではご指摘のように“体幹(大木)から少し出ている小指(小枝)を切り落とし”ているだけで、“強力に崩さない限り大木が崩れ”ません。
 ではどうするか?
 これまで通り“肩甲骨を引き出”します。「小手返は、敵の手~手首を掴みながら、肘関節を取り、上腕骨―上肢帯―体幹を取ることにより、成立」しています。「尺骨を取り、肘―上腕骨―上肢帯―体幹を取るという理解が必要」です。今回の柔術的表現でも同様です。“相手右肘を水月に突き刺す”目的は肘を体幹の固定するためではなく、相手の肩甲骨を前方に出すために行っています。(「」内、「日本伝合気柔術 序の巻」より引用)
 柔術・合気柔術・合気之術(大東流三大技法)では同じ技をしている(=相手に同じ影響を与えたい)のに表現が異なります(当たり前ですが)。ただ、その中心にある思想は同じです。逆にその表現の違いが、日本伝合気柔術の特徴である三大技法を理解する入口になると考えています。
 “肘関節を取ること”と“上肢帯―体幹を取る”ことが、独立した動作なのか、関連しているのかを考えることがヒントになります。今後の稽古のご参考になれば幸いです。

Re2: 小手返について(合気柔術教本02より)

早速ご返答いただきありがとうございます。ウ~ンなるほどと唸ってしまいました。分かりやすい説明で、よく理解できました。質問させていただき大正解でした。DVDこれからも見るつもりですので、又疑問が生じたら質問させていただきます。よろしくお願いします。

回転投について(14回講習会DVDより)

2011/12/26

質問があります。
回転投げとは十字受けで受けた相手の右手を我の左手で回して崩して、我の右手で相手の頭を押さえるところを回転投げと言うのか、相手を投げるfinishを回転投げと言うのでしょうか?表の場合は投げると言うより倒す感じがします。又、十字受けで受けた相手の右手を我の左手で回す時、最初に受けた我の右手で相手の右手を通じて相手の重心を前に引き出したとしても、相手の腕しか回らず相手の頭(上半身)まで崩れない気がします。右手の腕力で相手の頭を押さえるのは無理だし、右膝蹴りを相手の腹部にでも入れないと崩せない気もします。ご教授お願いいたします。

Re: 回転投げについて(14回講習会DVDより)

ご質問ありがとうございます。

1. 回転投げとは十字受けで受けた相手の右手を我の左手で回して崩して、我の右手で相手の頭を押さえるところを回転投げと言うのか、相手を投げるfinishを回転投げと言うのでしょうか?

これはどちら(相手の右手を我の左手で回して崩して~、相手を投げるfinish)もと考えています。
一般的に技(型)の構成は、
“相手の攻撃”-“避け・受け”-“崩し”-“固め(投げ)”
からなっています(この認識は日本伝合気柔術を理解するうえで非常に重要な要素です)。今回の場合は、“正面打”を“十字受”で受け、“回転投”で崩し、“回転投”で投げています。この“崩し”+“固め(投げ)”を「回転投」と呼ぶこともありますし、“崩し”のみを「回転投」ということもあります。
余談ですが、大東流にはもともと技(型)の名前がない、または確定していなかったようです。柔術118本は、武田時宗氏と鶴山師範が共同で命名(名称決定)したという伝承があります。ただ、その中にも「回転投」という名称はなく、また現在「回転投」と称される技に似た型も見当たりません。大東流もともとの技(型)として存在していたのか、合気道からの流用なのかは不明です。
ちなみに、われわれが「一か条」と称して練習している型は、正式には一か条の中にある「一本捕」のヴァリエーションです。合気道の「一教」という言葉の使い方に似ています。
歴史的な研究材料としては興味深い題材かもしれません。が、体術研究としてはあまり名称にこだわらないほうがいいかもしれません(単なる言葉、シンボルだと思います)。

2. 我の左手で回す時、最初に受けた我の右手で相手の右手を通じて相手の重心を前に引き出したとしても、相手の腕しか回らず相手の頭(上半身)まで崩れない気がします。

 これは、回すときの軸をどこに設定しているかの問題です。
以下、「日本伝合気柔術 序の巻」より引用。
「肩(関節)は実は二つの要素で構成されているのである。上腕骨―肩甲骨(真の肩関節)と肩甲骨―体幹(上肢帯)である。(中略)
この理解は、自己における身体制御のみならず、相手に技をかける際に非常に重要なことである。合気柔術の技の大半は相手の肩(肩関節+上肢帯)を制御することによって成立しているといっても過言ではないからである。」
このように、(真の)肩関節のみ回すと、ご指摘のように「相手の腕しか回らず」という状態になります。“肩関節および上肢帯を制御する”という意識がないと「回転投」の崩しは成立しません。肘を通じて相手の肩甲骨を“取る”意識が必要です。肘を回し、肩甲骨―体幹を取ることで、体幹を崩し=頭が下がり、さらに崩し…という感じでしょうか。

転身について(厳武館DVD「合気柔術教本01」より)

2011/09/29

質問があります。

転身についてです

1.”撞木の足”とはどのような状態なのでしょうか?
    足の向き、へその向き、顔の向き等を教えて下さい

2.半身の状態の足の向き、へその向き、顔の向き等を教えて下さい

3.転身した際は常に”撞木の足”の状態にするのでしょうか?
    (右転身後、右半身で戻った後、左転身後、左半身で戻った後、六方・千鳥後)


 お答えいただければ幸いです。よろしくお願いします。

Re: 転身について(厳武館DVD「合気柔術教本01」より...

ご質問ありがとうございます。

1.”撞木の足”とはどのような状態なのでしょうか?
    足の向き、へその向き、顔の向き等を教えて下さい

右足前の場合

① 右第1趾内側と右踵内側を結ぶ線(a線とする、足先)を正面(相手)に合わせる。
② 右足と左足の歩幅は肩幅くらいとする。
③ 左第1趾内側と左踵内側を結ぶ線(b線)をa線に垂直に、左踵はa線から約3cm離す。

この左右の足の形を“撞木の足”といいます。垂直と書きましたが、辛ければa線とb線のなす角は45°以上90°未満としてもかまいません。要は左股関節を開かない(外旋)しないことです。

④ この時の臍の向きはb線に平行です。臍の向きは場合によって変化します。
⑤ 顔の向きはa線に平行、相手を向きます。

2.半身の状態の足の向き、へその向き、顔の向き等を教えて下さい
3.転身した際は常に”撞木の足”の状態にするのでしょうか?

半身の状態、転身した際も常に足先(a線)を相手に向け、”撞木の足”とします。
ちなみに、六方・千鳥の際も前足先(千鳥のときは両足先になります)は相手に向けています。
臍の向き、顔の向きも同様です。

基本的に常に“撞木の足”としている理由は、
相手の攻撃をよけ、適切な間合を取り、意図した場所に、安定した形で、位置取り(ポジショニング)できるようになる、さらに体の中で最大の筋肉を持つ下半身及び体幹(腹筋・背筋)の力を有効に利用するため、我々の称する“西江水”を使えるようにするために必要だからです。
 “撞木の足”はその基本の第一歩と考えています。

ご参考となれば幸いです。

Re: 転身について(厳武館DVD「合気柔術教本01」より...

ご回答ありがとうございました

さらに質問です。
ご回答いただいた中に、”西江水”とあります。
「読み方」と「意味」を教えていただければ幸いです。

Re: 転身について(厳武館DVD「合気柔術教本01」より...

“セイゴウスイ”と読みます。
意味はいろいろ?あるようですが、当館では
「相手の攻撃をよけ、適切な間合を取り、意図した場所に、安定した形で、位置取り(ポジショニング)できるようになる、さらに体の中で最大の筋肉を持つ下半身及び体幹(腹筋・背筋)の力を有効に利用する」
ことを目的とした足腰の構え(身法)であり、それより生じる心法であると意味づけています。
これは目的を持った繰り返しの練習により体得する(できる)ものと考えています。

掌の返しについて

2011/07/19

#14講習会DVD十字受けから質問したいと思います。
側面入身で自分の左手の掌を上に向けて下に返す意味ですが、①返さないと自分の肘の力で相手を下に押そうとしてしまう、又相手の胸に乗ろうとして相手を強引に後ろに反り身に崩そうとする②掌を返すことによって自分の肘が自然と相手の胸にめり込む(密着感ができる) 以上の理由を考えましたが、いかがでしょうか?
肘返しでは掌を返すことによって相手の肩の固めが緩まないようにする。又自分が掴んでいる相手の右腕の掌がDVDでは下を向いてますが、若干上に向けると相手の肘が極るような気がしますが、いかがでしょうか? お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

Re: 掌の返しについて

なかなかいい質問ですね。
日本伝の本質に近づく問題です。
三大技法(柔術、合気柔術、合気之術)と称するものをどう理解しているか、に関係してきます。

側面入身について
基本的には正解です。
それがわかると逆に、掌を返す必要はなくなります。

側面入身は、
相手重心を両踵に乗せ、さらに背中~腰を緊張させ、
膝を折って、崩しています。

「合気之術」的な表現(解釈)をすると、
掌を返すことで、
ご指摘のように“②密着感ができる”ことで、“相手重心を両踵に乗せ、さらに背中~腰を緊張させ”ています。
掌を返さなくても、これが達成できるのであれば返す必要はありません。

「柔術」的な表現(解釈)では、
“①肘の力で相手を下に押”すことは間違いではありません。
当身とあわせて、この方法もありです。
ただし、“相手重心を両踵に乗せ、さらに背中~腰を緊張させ”ていなくてはいけないので、“相手の胸に乗ろうとして相手を強引に後ろに反り身に崩そうとする”のは確かに間違いです。

肘返について
これも基本的には正解です。

肘返は、
前足の爪先に重心を移し、腕を差し入れることで、相手の肩をロックし、上半身を“取り”ます。
その状態で、前に圧をかけ、相手の股関節を折って崩しています。
そのとき、ご指摘のように“掌を返すことによって相手の肩の固めが緩まないように”しています。
また、相手と当たっている位置を上腕二頭筋から三角筋に移動させ、“触れ合気”をかけ、前に圧をかけています。
さらに三角筋で圧をかけます。

肘を極めるのは、「柔術」的な表現(解釈)としてはありです。
「合気之術」的な表現(解釈)では、そこまでする必要はないと考えます。
保険程度と考えて十分でしょう。

Re: 掌の返しについて

お忙しいなかご返答いただき、ありがとうございます。大変興味深い内容で又分かりやすく、奥の深さを感じました。質問して良かったと思います。どのレベルまで達するのか分かりませんが、今後もよろしくお願いいたします。

一か条裏について

2011/06/07

質問

一か条裏ですが、#14回講習会のテロップでは右手・右足を引くとあります。右手を引くのは今までも#10回講習会でもありませんでした。表では右手を引くと左手の耳を押しているのが外れると習いました。DVDでも右手で引くというより耳を押している左手で前へ崩すのと廻すのを両方やっているように見えます。お忙しいところ申し訳ありませんが、よろしくお願いします。

Re: 質問~一か条裏について

なかなか動作を言葉で表現するのは難しいですね。
特に合気柔術は仕手の主観と外に表出されるものが異なりますから・・・。
一か条裏のように動きのあるものに関しては、なおさらです。

「引く」という表現がよくなかったのでしょう。
右足・右手を左足を軸に、空間的に(上から見ると時計回りに)回すことを、DVDでは「引く」と表現しています。
注意していただきたいのは、右手で持っている相手の腕(手首)を「引っ張る」(同時に左手で肘を引っ張ってしまう)ことを指してはいないことです。
一か条で大事なことは何度も練習していただいているとおり、表でも同じですが、左手で相手の肘を耳の方向に押し、体側を緊張させ続けることです。

多分、ここで混乱されるのでしょう。
右手は手首を持って、「引く」(回す)。左手は肘を押す。
相反する行為のように思えます。
どうするのか?
ここで大事なことが(回転)軸の設定になります。
軸の下端は前述したとおり自分の左足(+αがありますが)。
では上端は?
ここはご自身で考えて、練習してみてください。

また、第14回DVDは「十字受けからの展開」です。
十字受けは、受けとほぼ同時に相手の耳(体幹)が取れてしまうので、
見た目には「耳を押している左手で前へ崩すのと廻すのを両方やっているように見え」るのでしょう。
他に何手か加えている所もありますが・・・。
繰り返しますが、合気柔術は仕手の主観と外に表出されるものが異なります。

Re: 質問~一か条裏について

早速ご返答いただきありがとうございます。何度も何度も読み返しました。内容の奥深さに感銘していると同時に自分のものにしようとした時(現在の私のレベルでの)、うーんと唸ってしまいました。しつこい奴だとお思いでしょうがもう一度質問させてください。
軸の話ですが、下端は自分の左足で上端は自分の頭だとして、違っていても軸を中心に動かすのは外周の円を描く左手で、内周の円を描く右手ではないと思います。
左足を主に体全体を使って時計回りに回すとしても左手は相手を押さえる働き、右手の働きは方向を示すだけのように思えます。
私にとってここが勝負所なので、どこから違ってきているのか、もう一度ご指導お願いします。

Re: 質問~一か条裏について

相手を崩す=お辞儀をする直前までの動作をちょっと細かく。
ただ、言葉のみで表現するのは限界があることをご了承ください。

>軸を中心に動かすのは外周の円を描く左手で、内周の円を描く右手ではないと思います。

軸を回っているのは、右半身(右手・右足を含め)です。
ただ、手を”動かす”という表現は、正確ではないと思います。
主観的には右手・足は動かしていないからです。
「右手・右足を引く」ためには、右手・右足を右体幹に固定して、右体幹を“引く”必要があります。
「引っ張る」というのは、右体幹と右手の相対的な位置関係が変化していることを指しています。このときの主観としては右手を固定しようと思わず、右手で引こうと考えているはずです。
これでは技は成立しません。

>左足を主に体全体を使って時計回りに回すとしても左手は相手を押さえる働き、右手の働きは方向を示すだけのように思えます。

このように、右手は何もしていません(というとかなり語弊があります。実際には相手の上半身をフレーム化して(取って)いますが、話が複雑になるのでここではこう表現しておきます)。
ご指摘の「相手を押さえる動き」、「方向を示す」のは両方とも左手の仕事です。
というと語弊がありますね。
もう少し正確に言うと、“左手を通して”です。
左手を通して、相手を押さえる力を伝え、かつ相手の股関節を折る。
表・裏関係なく一か条に共通したテーマです。

Re: 質問~一か条裏について

2つだけ分かったことがあります。言い回しが断定的でないのは、実際の稽古ではなく、イメージの中だけのためです。
①右手はともかく「右足を引く」に引っ掛かったのは、武道で嫌われる右側の“体が開く”にならないかと無意識に思っていたかもしれません。そこでなるべく体の左側(軸側)を使って回ろうと考えたのではないか。しかし、右手右足を右体幹に固定して“引く”で解消できるかもしれません。
②左手で処理するを“左手を通して”で目標が見えて来ました。左手だけで処理するというのが、強すぎたのかもしれません。
今回も本当に親切丁寧にご指導いただきありがとうございました。これからもよろしくお願いします。